■頭痛の原因
「頭痛」と一口に言っても、その原因や痛みの種類は患者さまによって実に様々です。誰もが一度は経験する日常的な頭痛から、命に関わる重篤な病気が隠れている頭痛まで、その背景には多くの要因が絡み合っています。
頭痛の原因は大きく分けて、ストレスや疲労、生活習慣の乱れ、気圧の変化などによって引き起こされるものと、脳や血管になんらかの異常(病気)があって引き起こされるものの2つに分類されます。前者は脳そのものに異常がない「一次性頭痛」と呼ばれ、後者は脳の病気が原因となっている「二次性頭痛」と呼ばれます。
福岡市にある当院、中村脳神経外科クリニックには、連日多くの患者さまが頭痛の悩みを抱えて来院されます。「たかが頭痛」「いつものことだから」と市販の鎮痛薬でやり過ごしてしまう方も多いですが、頭痛は体が発している重要なSOSのサインである可能性も否定できません。特に、これまで経験したことのないような強い痛みや、徐々に痛みが強くなるような場合は注意が必要です。脳神経外科の専門的な視点から、その頭痛が心配のないものか、それとも治療を急ぐべきものかを正確に診断することが、頭痛治療の第一歩となります。
■危険な頭痛と危険でない頭痛
頭痛を診断する上で最も重要なのが、「危険な頭痛(二次性頭痛)」と「危険でない頭痛(一次性頭痛)」を見極めることです。
危険な頭痛とは、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、髄膜炎など、脳やその周辺の組織に生じた病気が原因で起こる頭痛です。これらの病気は命に関わることも多く、早期発見と迅速な治療が不可欠です。危険な頭痛のサインとしては、「バットで殴られたような突然の激しい頭痛」「これまでに経験したことのない最悪の頭痛」「手足のしびれや麻痺、言葉のしゃべりにくさを伴う頭痛」「発熱や嘔吐を伴う頭痛」「日に日に痛みが悪化する頭痛」などが挙げられます。このような症状が現れた場合は、一刻も早く脳神経外科を受診してください。福岡市の中村脳神経外科クリニックでは、MRIやCTなどの画像診断装置を用いて、脳に異常がないかを迅速かつ的確に検査いたします。
一方、危険でない頭痛(一次性頭痛)は、脳に明らかな病変が見当たらないにもかかわらず繰り返し起こる頭痛です。代表的なものに「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」「薬物乱用頭痛」があります。これらは命に直結するわけではありませんが、頻繁に起こることで仕事や家事、学業などの日常生活に大きな支障をきたし、生活の質(QOL)を著しく低下させます。危険ではないからといって放置せず、適切な診断と治療を行うことで、痛みをコントロールし、快適な毎日を取り戻すことが可能です。
■片頭痛とは?原因と見分け方

片頭痛は、脳の血管が急激に拡張することで引き起こされると考えられている、一次性頭痛の代表的な疾患です。日本国内における片頭痛の有病率は約8.4%とされており、特に20代から40代の働き盛りの女性に多く見られるのが特徴です。
片頭痛の原因は完全には解明されていませんが、下記の要素などが誘因(トリガー)となることが分かっています。
・ストレス
・寝不足や寝過ぎ
・天候の変化(気圧の低下など)
・特定の食べ物やアルコールの摂取
・女性ホルモンの変動
これらの誘因によって脳の神経(三叉神経)が刺激され、痛み物質(CGRP)が放出されることで血管が拡張すると同時に、痛みを引き起こすと考えられています。
片頭痛を見分けるポイント
片頭痛を見分けるポイントは、痛みの性質と伴う症状です。頭の片側(あるいは両側)がドクドク、ズキズキと脈打つように痛むのが特徴で、痛みがピークに達すると動くこともつらくなります。階段の上り下りなど、日常的な動作で痛みが悪化するのも片頭痛のサインです。また、頭痛に伴って吐き気や嘔吐を催したり、光や音、においに対して過敏になったりすることが多く、暗く静かな部屋で休むと少し楽になる傾向があります。さらに、一部の患者さまでは、頭痛が始まる前に目の前にキラキラとしたギザギザの光が現れて視野が欠ける「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる前兆症状が見られることもあります。これらの症状に心当たりがある方は、片頭痛の可能性が高いと言えます。
■緊張型頭痛とは?原因と見分け方
緊張型頭痛は、一次性頭痛の中で最も患者数が多く、誰もが一度は経験する身近な頭痛です。片頭痛が血管の拡張によるものであるのに対し、緊張型頭痛は主に筋肉の緊張や血行不良が原因で起こります。
・長時間のデスクワークやスマートフォン・パソコンの操作による前かがみの姿勢
・精神的なストレス
・目の疲れ
上記などが原因となり、首から肩、背中にかけての筋肉がこわばり、血流が悪化します。すると、筋肉内に疲労物質や発痛物質が蓄積し、神経を刺激して痛みを引き起こすのです。また、身体的なストレスだけでなく、精神的な不安や緊張が長期間続くことでも、脳の痛みを調整する機能が低下し、緊張型頭痛を発症しやすくなります。
緊張型頭痛を見分けるポイント
緊張型頭痛を見分ける特徴は、頭全体がギュッと締め付けられるような、重苦しい鈍い痛みが続くことです。ヘルメットを被っているような圧迫感や、ハチマキで強く縛られているような痛みと表現されることもあります。片頭痛のようなズキズキとした脈打つ痛みや、動くと痛みが悪化するといった特徴はなく、吐き気や嘔吐を伴うこともほとんどありません。首や肩の強いこりを伴うことが多く、入浴や適度なストレッチ、マッサージなどで血行を良くし、心身をリラックスさせると痛みが和らぐ傾向があります。ただし、片頭痛と緊張型頭痛を併発している方も少なくないため、自己判断は避け、専門医による正確な診断を受けることが大切です。
■福岡市中村脳神経外科クリニックの頭痛治療
福岡市の中村脳神経外科クリニックでは、患者さまお一人おひとりの頭痛の症状やライフスタイルに合わせた頭痛治療を提供しています。脳神経外科としての専門性を活かし、まずはMRIやCT検査などを用いて「危険な頭痛」が隠れていないかをしっかりと鑑別します。重篤な病気が否定された上で、一次性頭痛に対する本格的な治療を開始します。
片頭痛や緊張型頭痛に対する当院の治療の基本は、薬物療法と生活習慣の改善指導の二本柱です。薬物療法においては、痛みが出たときに服用して症状を抑える「急性期治療薬」と、頭痛の発生頻度や痛みの程度を減らすために定期的に服用する「予防薬」を組み合わせて使用します。
急性期治療では、従来の市販鎮痛薬だけでなく、片頭痛のメカニズムに直接作用するトリプタン系薬剤や、新しい作用機序を持つジタン系薬剤などを、痛みの程度やタイミングに合わせて適切に処方します。これにより、痛みが長引くのを防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えます。また、緊張型頭痛に対しては、筋肉の緊張をほぐす薬や、痛みを和らげる鎮痛薬を処方します。
さらに、頭痛外来として薬を処方するだけでなく、頭痛ダイアリーの記録を通じて頭痛の誘因を特定し、食事、睡眠、運動などの生活習慣の改善アドバイスも積極的に行っています。福岡市で頭痛にお悩みの方が、頭痛に振り回されることなく、快適な日常生活を送れるよう、スタッフ一同全力でサポートいたします。
■片頭痛予防注射について
当院では、片頭痛治療の新たな選択肢として、最新の「片頭痛予防注射(CGRP関連抗体薬)」による治療に力を入れています。これは、従来の飲み薬による予防治療では十分な効果が得られなかった方や、副作用で内服薬の継続が難しかった方にとって、画期的な治療法として期待されています。
片頭痛の発作時には、脳内の三叉神経から「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」という神経伝達物質が過剰に放出され、これが血管を拡張させたり炎症を引き起こしたりして痛みの原因となります。片頭痛予防注射は、このCGRPという物質そのもの、あるいはCGRPを受け取る受容体の働きをピンポイントでブロックすることで、片頭痛の発作を根元から予防するお薬です。現在、日本国内では「エムガルティ」「アジョビ」「アイモビーグ」といった薬剤が承認されており、当院でも患者さまの状態に合わせて最適な薬剤を選択しています。

この予防注射の最大のメリットは、高い予防効果です。月に数回から十数回あった片頭痛の日数が半分以下に減る方も多く、中には「全く頭痛が起きなくなった」と喜ばれる患者さまもいらっしゃいます。また、頭痛が起きたとしても痛みの程度が軽く済むようになり、急性期治療薬(痛み止め)を使用する回数も大幅に減少します。注射は月に1回(薬剤によっては4週間に1回など)の皮下注射で行うため、毎日の内服の煩わしさから解放される点も大きな利点です。
ただし、片頭痛予防注射はすべての頭痛に無条件で効果があるわけではなく、医師の診断によって「片頭痛」と確定されており、かつ過去に他の予防薬による治療を一定期間行っても効果が不十分であった等の条件を満たす必要があります。費用面や投与スケジュールなどを含め、導入には事前の十分なご相談とご説明が不可欠です。これまでどんな治療を試しても片頭痛が改善せず、仕事や趣味を諦めかけていた方は、ぜひ一度、福岡市の中村脳神経外科クリニックへご相談ください。最新の予防注射が、患者さまの人生を大きく変えるきっかけになるかもしれません。
■頭痛のご相談は福岡市の中村脳神経外科クリニックへ
頭痛は決して「我慢すべきもの」ではありません。頻繁に起こる頭痛や、いつもの鎮痛薬が効かない頭痛の裏には、適切な治療を必要とする疾患が隠れています。市販薬を手放せない日々が続いている方、頭痛のせいで仕事や家事に集中できない方、そして月に何度も寝込むほどの片頭痛にお悩みの方は、一人で悩まずに脳神経外科の専門医を頼ってください。
福岡市の中村脳神経外科クリニックでは、MRIやCTを用いた画像診断から、最新の片頭痛予防注射に至るまで、幅広い治療選択肢をご用意して患者さまをお待ちしております。丁寧な問診と的確な診断に基づき、最も適した頭痛治療をご提案いたします。「この頭痛は一体何が原因だろう」という不安を解消し、痛みのない穏やかな日常を取り戻すために。頭痛・片頭痛のご相談は、福岡市の中村脳神経外科クリニックへお気軽にお越しください。