片頭痛の予防治療 | 福岡市城南区「中村脳神経外科」頭痛・物忘れ・てんかん等

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片頭痛の予防治療

CGRPに着目した新しいお薬

「お薬で片頭痛そのものを減らせたら」――そんな願いに応える新しい治療が広がっています。

片頭痛は、起きてしまった発作を抑える『急性期治療(頓服)』だけでなく、発作の回数や程度をあらかじめ減らす『予防治療』が大切です。近年、片頭痛の発作に深く関わる体内の物質「CGRP(シージーアールピー)」に直接はたらきかける新しいタイプのお薬が登場し、これまでの予防薬で十分な効果が得られなかった方にも新たな選択肢となっています。

このページでは、当院でもお取り扱いのあるCGRP関連の予防薬を、注射のお薬3種類・飲み薬2種類に分けてわかりやすくご紹介します。

CGRPとは? なぜ片頭痛に効くの?

CGRPは、片頭痛の発作が起こるときに脳の血管のまわりで増える物質で、血管を広げたり、痛みの信号を強めたりする働きがあると考えられています。

CGRP関連のお薬は、この「CGRPそのもの」または「CGRPを受け取る受容体」にフタをすることで、痛みのスイッチが入りにくい状態をつくり、発作を予防します。痛みを我慢して抑えるのではなく、発作が起こる手前ではたらく点がこれまでのお薬と大きく異なります。

注射のお薬(抗CGRP関連抗体)

月に1回程度の皮下注射で予防効果が続くお薬です。いずれも自宅での自己注射が可能で、当院では打ち方の指導も行っています。

①. エムガルティ(一般名:ガルカネズマブ)

分類CGRPそのものを中和する抗体
投与方法皮下注射(自己注射可)
投与間隔初回のみ2本、その後は月1回1本(30日以上あける)
特徴国内で広く使われている実績のあるお薬です。初回だけ2本注射するため、初月の費用がやや高くなります。

②. アジョビ(一般名:フレマネズマブ)

分類CGRPそのものを中和する抗体
投与方法皮下注射(自己注射可)
投与間隔月1回(1本)または3か月に1回(3本まとめて)の2通りから選べる(28日以上あける)
特徴通院回数を減らしたい方は3か月に1回の投与法を選べるのが特徴です。

③. アイモビーグ(一般名:エレヌマブ)

分類CGRPの受容体をブロックする抗体
投与方法皮下注射(自己注射可)
投与間隔4週間(28日)に1回 1本
特徴唯一「受容体」側にはたらくタイプ。便秘があらわれることがあります。

飲み薬(経口CGRP受容体拮抗薬・ゲパント)

注射が苦手な方や、内服で予防したい方の選択肢です。1日1回または1日おきの内服で続けられます。

④. ナルティーク(一般名:リメジェパント)

分類CGRP受容体拮抗薬(ゲパント)/口腔内崩壊錠(OD錠)
投与方法内服(水なしで服用可能なOD錠)
投与間隔予防の場合は1日おきに1錠(75mg)
特徴発作時の頓服(急性期治療)と予防の両方に使える点が特徴。発作が起きたときにも、ふだんの予防にも使えます。

⑤. アクイプタ(一般名:アトゲパント)

分類CGRP受容体拮抗薬(ゲパント)
投与方法内服(錠剤)
投与間隔1日1回 毎日服用
特徴CGRP関連薬のなかでは費用が比較的おさえられるのが特徴。肝臓の働きが低下している方などは用量の調整が必要です。

効果のあらわれ方と続け方

多くの方で、開始から1〜3か月ほどかけて頭痛の日数や程度がやわらいでいきます。1回でやめるお薬ではなく、効果を見ながら一定期間続けていくのが基本です。一般的には半年〜1年ほど続けて効果が安定したら、医師と相談しながら間隔をあけたり中止を検討したりします。「効いている感じがしない」と自己判断で急にやめず、必ず主治医にご相談ください。

副作用・注意していただきたいこと

  • 注射薬では、注射した場所の赤み・かゆみ・痛み・腫れがもっとも多くみられます。多くは数日でおさまります。
  • 便秘があらわれることがあります(特にアイモビーグ)。飲み薬でも便秘や吐き気がみられることがあります。
  • まれにアレルギー(過敏症)の症状が出ることがあります。発疹・じんましん・息苦しさなどがあればすぐにご連絡ください。
  • 妊娠中・授乳中の方、妊娠を希望される方は、使用前に必ずお申し出ください。
  • 飲み薬は、一緒に使えないお薬や用量調整が必要な場合があります。服用中のお薬はすべてお知らせください。

上記はおもな注意点の一部です。お一人おひとりの体質やご病気の状況によって適否や注意点は異なります。

費用の目安(医療保険3割負担の場合)

CGRP関連薬は健康保険が使えます。3割負担の場合の、おおよその自己負担の目安は次のとおりです(金額は改定等で変わることがあります)。

お薬自己負担の目安(3割)ペース
注射薬 (エムガルティ/アジョビ/アイモビーグ)1本あたり 約12,000〜13,500円月1本程度 (初回エムガルティは2本)
ナルティーク(予防)月 約13,000円前後1日おきに内服
アクイプタ月 約13,000円前後1日1回内服

※ 別途、診察料などがかかります。加入されている健康保険組合によっては、自己負担の上限を超えた分が払い戻される「高額療養費制度」や「付加給付」を利用できる場合があります。詳しくは窓口でご相談ください。

こんな方はぜひご相談ください

  • 月に何度も片頭痛があり、お仕事や生活に支障が出ている
  • 頭痛薬(鎮痛薬・トリプタンなど)を使う回数が増えてきた
  • これまでの予防薬で効果が不十分、または副作用でつらかった
  • 片頭痛をしっかり予防して、毎日を快適に過ごしたい

ご相談・ご予約について

CGRP関連の予防薬が向いているかどうかは、頭痛のタイプや頻度、これまでの治療歴などをふまえて判断します。当院では脳神経外科専門医や頭痛専門ナースが、お一人おひとりに合った治療をご提案します。「自分にも使えるのかな」と気になった方は、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事は片頭痛の予防治療に関する一般的な情報をご紹介するもので、診断や個別の治療方針を示すものではありません。治療の適否や詳しい説明は、診察時に医師がご案内します。

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